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平成20年6月18日判決言い渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成19年(行ウ)第1号 違法公金返還請求等請求事件 口頭弁論終結日 平成20年4月16日 判 決 (以下省略) 主 文 1 被告は、石井隆一(富山市・・・・ ) に対して、56万円及びこれに対する平成18年2月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を富山県に対して支払うよう要請せよ。 2 原告らのその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを5分し、その2を原告らの負担とし、その余を被告の負担とする。 (事実及び理由の第1 請求・第2 事案の概要まで省略) 第3 争点に対する判断 1 争点1(違法な財務会計行為の有無)について (1) 荻澤による契約締結行為について 荻澤による本件本件契約締結行為は、支出負担行為(地方自治法232条の3)として支出命令及び支出(狭義の支出)とともに「公金の支出」 (同法242条1項)に当たる。なお、支出負担行為を行う権限は、本来、予算執行権を有する普通地方公共団体の長である富山県知事にあるが(同法149条2)、富山県事務決裁規定(乙1) 5条及び別表第1(共通専決事項1 部局長等共通専決事項、部局長専決事項(17)ウ) により、1件500万円以上の委託料の支出負担行為については部局長(本件では知事政策室長)の専決事項とされている。 しかしながら、本件契約は、本件事業を含む本件委託業務を発展させる会に委託した内容の契約であり、その委託料として限度額1941万4000円を超えない範囲内の金額を支払うこと(第3条)、委託業務に要した費用の実支出額と上記限度額のいずれか低い額を支払うこと(第11条2項)などを定めているにすぎず、本件契約の締結自体が本件各条例に違反する違法があるものとは認められない。なお、原告らは本件契約に締結に当たって、宿泊費が本件各条例に定める上限額を超えないようにするための定めをするべきであると主張するが、証拠(乙3)及び弁論の全趣旨によれば、発展させる会の事務局は富山県知事政策室総合交通政策課に置かれ、富山県職員がその担当をしていたことが認められ、そうすると、発展させる会の事務局職員は、知事等が本件各条例を遵守しなければならないことは当然に了知していたものであり、契約の内容として定めなかったことにより本件各条例の適用が除外されるものではないことからすれば、上記定めを契約の内容としなかったことが違法とはいえず、原告らの上記主張は採用できない。 また、本件事業における宿泊費が、1泊当たり5万円及び3万円と本件各条例の上限額を超える額での見積もりが行われたのは平成17年11月8日付けの見積書においてであって(甲3)、本件契約において委託料の上限額が定められているのみでその内訳は何ら示されておら ず(前提となる事実、甲2、弁論の全趣旨)、本件契約締結段階(同年10月3日では、本件事 業における宿泊費が、本件各条例の上限額を超えるかどうかは明らかではないから、結果的 に委託料に含まれる宿泊費が、本件各条例の上限額を超えたからといって荻澤による本件契 約の締結行為自体がいほうとまではいえない。 (2) 日野が委託料の額を確定する行為について ア 日野が発展させる会からの本件委託業務の業務実績報告書のとおり本件契約の委託料の 額を確定し、211万3247円を超える返還を不要としたことは、「公金の賦課」 「を怠る事実」 (地方自治法242条1項)に該当し得る。なお、本件契約の委託料の額の確定が本来富山県 知事の権限であり、富山県事務決済規程5条及び別表(共通専決事項 1 部 局長等共通 専決事項、室課長専決事項(34))により、知事の決裁及び部局長の専決に係る支出負担行 為に基づいて支出すべき委託料、補助金等の確定に関することは、室課長(本件では総合交 通政策課長)の専決とされている。 イ 前提となる事実のほかに、証拠(甲1,4、乙3,4,5,6の1)及び弁論の全趣旨によれば、 本件事業は富山県知事、同県議会議長及び同県職員の宿泊を伴うものであり、本件契約の委託料の中には、これらの者の外国旅行の旅費又は費用弁償に相当する費用が含まれること、発展させる会の会員には富山県が含まれ、石井及び富山県議会議長の地位にある者が顧問となっていること、発展させる会の事務局は富山県知事政策室総合交通政策課に置かれていること、発展させる会の平成17年度収支決算によると、収入の部の決算額5700万9183円のうち、99パーセント以上に当たる5675万4598円(補助金3945万3845円及び委託料1730万0753円)は富山県から支払われていること、本件事業における訪問団の派遣メンバーには、団長の石井及び団員として富山県議会議長の地位にある横田安弘(以下「横田」という。)が含まれるほか、事務局長として日野ら富山県職員7名が含まれていること、本件事業の事務はほとんど富山県職員が行っていたことが認められる。 そして、前提となる事実によれば、本件事業に関し、石井、横田、荻澤ほか富山県職員が、職務のために海外に旅行したことは明らかであるから、仮に本件事業における石井らの宿泊費の金額がそのまま旅費又は費用弁償として支給されていたとすれば、それらの支出が本件各条例に違反することは明らかである。 ところで、本件においては、石井からの宿泊費について、富山県が発展させる会との間で本件契約を締結し、委託料の一部として支払っているところ、本件契約では、上記委託料について、委託業務に要した経費の実支出額が委託料の限度額より低い場合は、実支出額によるものとされており(本件契約第11条、第13条)、富山県が石井らの宿泊費を把握し、その実支出額での支払が可能であること(証拠(甲2)によれば、本件契約の第9条(報告の徴収等)で、「甲(富山県)は、必要があるときは、乙(発展させる会)に対し、委託事務の実施状況について報告若しくは資料の提示を求め、又は必要な指示をすることができる。」と定めている。)からすれば、上記委託料の支払が実質的には旅費又は費用弁償として支給されたものと同視することができる。けだし、委託料という名目で公金の支出されたからといって、本件各条例が適用されないとすることは、直接旅費の支給又は費用弁償をせず、間に別の団体を介在させて別の名目で公金を支出することで容易に本件各条例の適用を免れ得ることとなって相当でない。 ウ 地方自治法242条の2第1項の「違法」とは、当該職員が職務上負担する財務会計法規上の義務(最高裁判所平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)に違反することをいうところ、本件事業が、その性質上、富山県知事、同県議会議長及び同県職員の宿泊を伴い本件契約の委託料の中にこれらの者の外国旅行の旅費又は費用弁償に相当する費用が含まれることは上記のとおりであり、日野において、委託料の中に宿泊費が含まれていることは当然に認識していたはずであり、発展させる会から提出された業務実質報告書の委託業務実績内訳によれば、本件事業に伴う中国国内宿泊費として340万円が計上されていること(甲4)からすれば、本件事業で支出された石井らの宿泊費が本件各条例の上限額を超えていることが容易に認識できる。そうすると、日野が、本件各条例の上限額を超える宿泊費を含むにもかかわらず、是正を求めることなく、発展させる会からの本件委託業務の実務実績報告者のとおり本件契約の委託料の額を確定し、211万3247円を超える返還を不要としたことは、当該職員が職務上負担する財務会計法規上の義務に違反し違法である。 なお、本件契約の委託料を確定する際に、宿泊費等本件事業に要した費目を記載した内訳書の提出を求めるなどしてその内訳を確認することがそれほど業務の効率性を害するとも思わないし、法令を遵守することは至極当然であるから、たとえ本件委託業務を構成する個々の業務を細分化して個々の業務ごとに委託金額を確認することが、効率的でないとしても、上記判断に影響するものではない。 エ 訪問団のメンバーのうち、石井、横田及び富山県職員以外の者については、本件事業の宿泊費のうちこれらの者に係る部分については、そもそも本件各条例の適用を受けないから、本件各条例に違反するものではない。また、本件契約の委託料は、本件事業における宿泊費を1人1泊当たり2万円として積算された平成17年度予算における本件委託業務の設計総額1941万4000円を下回る1730万0753円で確定されていること(前提となる事実、甲1)及び本件事業の目的等を考慮すると、これらの者の宿泊費につき、1人1泊当たり3万円相当額を支払ったことが地方財政法4条に違反するとまではいえない。 2 争点2(荻澤及び日野の財務会計行為に対する石井の監督責任の有無)について (1) 普通地方公共団体の長は、訓令等の事務処理上の明確な定めにより、その権限に属する財務会計上の行為をあらかじめ特定の補助職員を専決させて処理した場合、上記補助職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止すべき指揮監督上の事務に違反し、故意又は過失により上記補助職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止しなかったときに限り、普通地方公共団体に対し、当該普通地方公共団体が被った損害につき賠償責任を負うものと解するんが相当である(最高裁判所平成3年12月20日第二小法廷判決・民集45巻9号1455頁参照)。 (2) 証拠(甲6ないし11)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認めれれる。 ア 西郊賓館は、上海の西の郊外に位置し、40年以上の歴史を持ち、広大な庭園を有する中国国内におっける各付けが5星のホテルである。イギリスのエリザベス女王、日本の天皇及び各国首脳等が上海滞在中に利用したことがある。 イ 西郊賓館の入り口から石井が宿泊した7212号室のある7号楼までは、敷地内を車で移動して約2分ほどかかる。 ウ 7212号室は、応接セットの置かれた応接間を有し、7号楼の通常の客室2室分の広さがある。 エ 平成20年4月現在で、7212号室の正規室料は、約3000元(1元15円(以下同じ。)とすると約4万5000円)であり、7号楼の通常の客室の正規室料は、約1500元(約2万2500円)である。 (3) 富山県は発展させる会の会員であり、石井は発展させる会の顧問であること、発展させる会の事務局が富山県知事政策室総合交通政策課に置かれ、富山県職員がその事務を担当していたこと、石井は訪問団長として本件事業に参加して、上海の西郊賓館及び釣魚台賓館に宿泊していることに加え、さらに上記認定事実からすれば、石井は自己、横田及び富山県職員の宿泊費が本件各条例の上限額を相当上回ることを容易に知り得たものということができる。そうすると、石井は、本件事業に伴った中国国内における宿泊費の支払が本件各条例に違反するものであることを容易に知り得たのであるから、専決を任された日野が本件各条例に違反して本件事業の宿泊費を含む委託料を確定させることがないように是正措置をとるべき指揮監督上の義務があったものということができ、これに対し、石井は、何らの措置をとっていない以上、上記義務違反があったものと認められる。なお、上記のとおり、富山県職員が本件各条例を遵守すべきことは当然であること、発展させる会の事務局の構成、本件契約第9条において委託業務の実施状況について報告等を求めることができる旨規定していることなどからすれば、本件契約第11条における実支出額とは、単に発展させる会が実際に支出した額を意味するものではなく、法令に従った支出であるなどその内容においても実際に支出されるべき金額をいうと解すべきであるから、本件契約の委託料を確定させる段階で、富山県が、発展させる会に対し、何らかの是正措置を講ずることができないというものではない。 したがって、本件においては、石井が、専決を任された補助職員である日野が上記財務管理上の違法行為することを阻止すべき指揮監督上の義務に違反し、過失により上記補助職員が財務会計上の違法行為をすることを阻止しなかったものと認められるから、その責任は免れない。 3 争点3 (富山県の損害)について 原告らは、本件契約の委託料のうち、本件事業の宿泊費相当額のうち、1泊当たり2万円を超える部分を富山県の損害として主張しているところ、前提となる事業及び証拠(甲3,4)によれば、本件契約の委託料のうち、本件事業の宿泊費相当額が340万円であり、そのうち、石井、横田、荻澤及び日野等富山県職員7名の宿泊費相当額は、136万円(石井及び横田が1泊5万円の宿泊料で4泊分各20万円、富山県職員8名が1泊3万円の宿泊料で4泊分各12万円の合計金額)であると認められる。そうすると、富山県が被った損害は、上記136万円のうち1泊当たり2万円を超える部分である56万円と認めるのが相当である。 第4 結論 以上によれば、原告らの請求に対し、石井に56万円及びこれに対する不法行為日である平成18年2月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを請求するよう求める限度で理由があるが、その余は理由がない。よって、主文のとおり判決する。 富山地方裁判所民事部 裁判長裁判官 佐藤真弘 裁判官 大野博隆 裁判官 松本武人 #
by ombudst03
| 2008-06-21 00:36
| 上海高額宿泊費返還請求等請求
平成19年(行コ)7号 違法公金支出金返還請求控訴事件
控訴人 松永定夫 被控訴人 富山市長 準備書面第2 2008年2月4日 名古屋高等裁判所 金沢支部 御中 控訴人訴訟代理人 弁護士 青島明生 控訴人は、下記のとおり,弁論を準備する。 記 第1 控訴人の主張 本件において控訴人が違法な財務会計行為として主張するものは以下の通りである。 1 変更契約 その一つは,吉村前町長が,2003(平成15,以下暦年は西暦の上2桁を略して表記する)年1月20日に八尾町石油スタンド会(以下「スタンド会」と言う。)との間で締結した,違法な油類等の供給に関する単価契約(以下「本件単価契約」と言う。)を前提として,03年5月21日から04年10月27日までの間5回締結された本件単価契約の一部(価格)を変更する変更契約(以下「本件変更契約」と言う。)である。 すなわち,本件単価契約は,地方自治法234条1項に規定する「売買,・・その他の契約」に該当し,同条2項に定める例外として随意契約が許される場合である地方自治法施行令167条の2第1項に規定する,予定価格が80万円を超えない契約には該当しないのに随意契約で行われた違法なものである。 そして,その後に行われた本件変更契約についても,財務的処理を直接の目的とする契約であり,非財務的な行政上の事務処理の一環として行われる契約ではないから,地方自治法242条1項所定の「契約の締結」に該当する。したがって,随意契約によることは許されず,競争入札によって行われるべきであるのに,競争入札を経ずに定められているから,本件単価契約が違法であるのと同様の理由で違法となる。 2 石油類の購入契約 他の一つは本件単価契約及び上記変更契約に基づいて行われた灯油の購入契約である。 すなわち,旧八尾町(以下「町」と言う。)は,04年3月頃から控訴人が住民監査請求を行った前日である05年3月10日までの間、町がスタンド会との間で締結した,本件契約と本件変更契約契約に基づいて町職員が行った石油類の発注と代金の支払いである。 なお,これら発注と代金支払いについては,本件単価契約において,スタンド会は町の指定する施設へ石油類を搬入し前月納入分を取りまとめて代金請求し、町は支払請求書の受理日から30日以内に支払うとされており(甲1号証),代金額については本件単価契約及び本件変更契約で定められた単価を基準に算出されたものであった。ところで,売買契約において,代金額,その支払,目的物の納入場所は,その本質的な要素であるから,上記は全体として一つの契約であり、個々の発注や一月ごとの代金支払いが個々に売買契約となるものではないと解する。逆に,個々の発注を個別契約と解することは、代金の支払い方法の点で無理であり、少なくとも一月ごとの契約と見るべきである。 さらに,仮に全体が一体として一つの契約又は一月ごとに一つの契約であるとは認められず、個々の発注が売買契約であると解されるとしても、少なくとも価格は売買契約の本質的な要素であり,これなしには売買契約と認めることはできないから,その本質的な要素である価格が本件単価契約と本件変更契約に依存している以上,その余の部分が違法ではないとしても,当該発注,代金支払い行為は違法となる。 3 変更契約と石油類の購入契約との関係 控訴人は,違法な財務会計行為として,上記の通り変更契約と購入契約を主張するが,購入契約は,変更契約が違法な財務会計行為と認められない場合に予備的に主張するものである。 4 専決と違法な財務会計行為について その都度の石油類購入価格が一定金額未満である場合には金額に応じて,町職員が専決で支出負担行為の決済を行っているとみられ,石油類の購入契約を違法な財務会計行為とする場合の行為者は,それぞれの専決者となる。 ただ,本訴においては,石油類購入契約については,これら職員を監督すべき立場にある町長,総務課長,会計課長の監督責任を問うものである。すなわち,本件違法な財務会計行為が行われた当時,元町長は町長として予算執行の権限を有し、総務課長は物品の調達管理に関する権限を有し,会計課長は現金の出納及び保管に関する権限を有し,配下の財務担当職員が違法な財務会計行為を行わないように監督する責任を有していたにもかかわらず,上記のとおり職員の違法な行為を見逃し,行為後はすみやかに是正する義務があったのにこれを放置し、職員に上記違法な財務会計行為を行わせて町に損害を与えた者であり、町の蒙った損害を賠償する責任がある。 第2 被控訴人の第11準備書面について 1 同書面第1項の町とスタンド会との売買契約の経緯は不知。 2 同第2項の決裁文書の作成と廃棄は不知。 3 同第3項の,価格改定の場合の決済が改訂価額による随意契約による売買についても決済したことを意味するとの主張は争う。 決済の内容は当該文書の内容に限られており,それを超える決済の意味の付与など実務上あり得ないし,そのような意味は確定しようがないので到底認められない。 次項で財政課が「契約文書を作成しておくべきだ」と指摘されたことが記載されているが,この指摘が正しく,これがされていないのは手続的に瑕疵がある。 4 同第4項のうち,甲1号証の文書の作成経緯及び乙号証の説明は不知,その余は争う。 売買契約が以前から続いていたので当該契約について決裁文書を作成する必要がないと職員が考えることはあり得ず,決済を経ずに契約したと見るべきである。 5 同第5項の八尾町の石油販売業者の実情は不知。 第3 被控訴人の第12準備書面について 1 同書面第1「契約条件の変更について」は争う。 町職員が価格変更に当たり,契約上の要件である「市場価格の著しい変動」の有無について吟味した形跡が全くなく,被控訴人の主張は事実を偽るものである。 2 同書面第2「八尾町スタンド会」については争う。 控訴人がスタンド会の規約に中小企業の育成が上げられていないことを指摘したのは,これが目的とされていない団体と契約することが中小企業の育成につながらないとの意味であり,その団体が行政組織であるか否かとは無関係である。そして,団体の会長に中小企業に該当しない農協の組合長が就任していることからもスタンド会が中小企業の保護と無関係であることを裏付けるものである。 また,あおば農協は会社でも個人でもないので中小企業基本法の定める中小企業者には該当しないし,政令で定められた組合ではないから中小企業の受注の確保に関する法律の中小企業者にも該当しない。そして,中小企業の受注の確保に関する法律では一定の要件を満たす団体に限って随意契約によることを認めているから,要件を満たさない団体・企業については随意契約によることを認めない趣旨であることは明らかであり,あおば農協の実態や性格から中小企業保護と関連づけることは,法の定義規定及び定義規定をおいている趣旨を無視するものであって許されない解釈である。 3 同書面第3「価格下落の必然性」については争う。 本件契約の目的は石油類の調達であり,中小企業保護は本来の目的ではない。引用されている原判決の判断は,本来の最高裁判決の趣旨を取り違えているものである。 以上 #
by ombudst03
| 2008-02-11 02:01
| 旧八尾町 控訴審・準備書面
平成19年(行コ)8号 違法公金支出金返還請求控訴事件
控訴人 吉森正直 被控訴人 滑川市長 準備書面2 2008年2月4日 名古屋高等裁判所 金沢支部 御中 控訴人訴訟代理人 弁護士 青島明生 控訴人は下記の通り弁論を準備する。 記 第1 控訴人準備書面1(2008年1月21日付)の補充 1 違法な財務会計行為の関係 控訴人は,違法な財務会計行為として,変更契約と購入契約を主張したが,購入契約は,変更契約が違法な財務会計行為と認められない場合に予備的に主張するものである。 2 専決と違法な財務会計行為について 乙33号証によれば,その都度の石油類購入価格が一定金額未満である場合には金額に応じて,担当課長,担当課を所管する部長または助役が専決で支出負担行為の決済を行っているとのことである。 したがって,石油類の購入契約を違法な財務会計行為とする場合の行為者は,それぞれの専決者となる。 ただ,本訴においては,これら職員を監督すべき立場にある被告市長の監督責任を問うものである。すなわち,被告市長は、本件違法な財務会計行為が行われた当時市長として予算執行の権限を有し、財務担当職員が違法な財務会計行為を行わないように監督する責任を有していたが,上記のとおり職員の違法な行為を見逃し,行為後はすみやかに是正する義務があったのにこれを放置し、職員に上記違法な財務会計行為を行わせて市に損害を与えた者であり、市の蒙った損害を賠償する責任がある。 第2 被控訴人の控訴審準備書面(2)について 1 同書面第1「石油類購入手続,単価契約の経緯について」は不知。 基本的には,控訴人は知らないが,滑川市(以下「市」と言う。)内に事業所を有する石油類販売業者はほぼ全員が富山県石油業協同組合(以下「県組合」と言う。)に属しているとの点は否認する。 すなわち,乙36号証添付の売買契約書に記載されている石油類販売業者のうち,(有)金子燃料,(有)砂子燃料店,第一石油(株),アルプス農協,(有)リビック松島は,甲26号証にも,乙34号証にも見あたらないので,県組合の組合員ではないとみられる。また,乙33号証によれば,このほかにも井原燃料,一光,丸三石油株式会社が県組合に参加していないとされている(2頁)。よって,「ほぼ全員」とはほど遠い。 また,県組合滑川ブロックには,上記の通り県組合の非組合員5業者が参加しているし,逆に県組合員で滑川市内に事業所を有しながら滑川ブロックに加入していない黒部石油販売株式会社がある(乙33号証2頁)。したがって,滑川ブロックは市内に石油類販売の事業所を有する業者の一部の特定の業者のグループというのが実態である。 2 同書面第2について 滑川ブロックとして名を連ねる業者のほぼ全員が県組合に所属するとの点は上記の通り否認し,滑川ブロックが県組合の中新川支部の支分部局ではないことは認める。 滑川ブロックで県組合に所属するのは7業者に過ぎず,他の5業者は非組合員である。 3 同書面第3「滑川ブロックについて」について 市が滑川ブロック自体が法人格を有する団体であると考えていなかったことは否認し,同ブロックが団体に至らないことは認める。 市監査委員が財政課職員から説明を受けた際,財政課職員は,「滑川ブロックの組合員は市内の業者のほとんどであり」,「1業者と契約を行うよりも,多数の業者で構成された組合との契約の方が安定供給を受けるのに便利だと考えられる」と述べているので(甲1号証4頁),市は滑川ブロックを「組合」であると誤認していたことは明らかである。 4 同書面第4「中小企業者について」について (1) 同第1項の滑川ブロックとして名を連ねる業者については認める。 (2) 同第2項のうち,法律の規定は認め,アルプス農業協同組合以外の業者が中小企業者に該当することは不知(特に,廣田石油株式会社及び米原商事有限会社が,資本金の総額が5000万円以下又は常時使用する従業員が50人以下であるかは疑問である),アルプス農協が中小企業基本法と中小企業の受注の確保に関する法律での中小企業者に該当することは否認する。 アルプス農協は,会社でも個人でもないので中小企業基本法の定める中小企業者には該当しない。また,同農協は政令で定められた組合ではないから中小企業の受注の確保に関する法律での中小企業者にも該当しない。 そして,その実態や公的性格から準じて扱っても違法とはならないとする被控訴人の主張は,両法の定義規定及び定義規定をおいている趣旨を無視するものであって許されない解釈である。 5 同書面第5「単価契約の当事者について」について 滑川ブロックが法人でも組合でもないこと,単価契約の当事者が12業者であることは認めるが,このことが経緯からわかるとする点は争う。 上記第3項の通り,すくなくとも市の担当者は滑川ブロックを「組合」なる団体と事実を誤認して契約を締結していたことは明白である。 6 同書面第6「その他」について (1) 同第1項の単価契約の位置づけについては準備書面1で主張したとおり,全体として一体ととらえ,または少なくとも1月単位でとらえるべきであるし,仮にそうでないとしても,売買契約の本質である価格が本件単価契約または変更契約によって定められているので違法である。 なお,乙37号証によれば,歳出予算の執行の適正のために,単価契約の場合も,歳出予算の範囲内で,推定総金額を定めて契約すべきであると記載されており,これまで主張してきたとおり,そのようにして入札が実行される必要があった。 (2) 同第2項は争う。 控訴人は滑川市全体が購入する石油類の全量について一括して入札を実施すべきだ等とは主張していない。推定総金額が随意契約が許される金額を超える施設について,被控訴人の主張するとおり学校等の施設ごとに入札を実施すべきだと主張しているに過ぎない。これは富山県教育委員会も行っていることである。 (3) 同第3項は争う。 まず,滑川ブロックは組織としての規約すら有していないのであるから,法人以前に団体ですらない。 また,同ブロックに属する者はアルプス農協を除いて全員が適格組合である県組合に属する中小企業者であるとの主張も上記のとおり全く事実に反する。県組合に所属しているのは12業者のうち7業者に過ぎないし,中小企業者であるかどうかも市は確認していない。 次に,被控訴人は中小企業基本法の趣旨について縷々主張しているが,同法と適格団体について随意契約を認める法律とは,そもそも法律が別であるし,中小企業の受注の確保に関する法律で一定の要件を満たす団体に限って随意契約によることを認めた趣旨からすれば,要件を満たさない団体・企業については随意契約によることを認めない趣旨であることは明らかであるから,被控訴人の主張は失当である。 (4) 同第4項は争う。 被控訴人主張の通り,本来の損害額は入札を実施した場合と比較しなければならないが,市は入札を実施していない以上,入札を実施し,同一行政区画内にあり,同時期に入札を実施していた県立高校の購入価格と比較するのが最も実際に入札をした場合に形成される価格差に近いと見られる。 第3 被控訴人の控訴審準備書面(3)は争う。 控訴人は,本件単価契約を売買契約と主張しているのではなく,原判決の認定通り,地方自治法234条1項に規定する「その他の契約」に該当すると主張するものであり,上記第2,6項(1)のとおり,随意契約によることが許されないのに行われた違法な財務会計行為であると主張するものである。 以上 #
by ombudst03
| 2008-02-11 01:55
| 滑川市 控訴審・準備書面
平成19年5月30日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成17年行ウ第2号 違法公金支出金返還請求事件 判 決 原 告 松 永 定 夫 同訴訟代理弁護士 青 島 明 生 被 告 富山市長 森 雅志 同訴訟代理弁護士 神 田 光 信 主 文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事 実 及 び 理 由 第1 請求 1 被告は、別紙1記載の3名(以下「相手方ら」という。」に対し、連帯して147万円及びこれに対する平成17年3月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を富山市に支払うよう請求せよ。 2 訴訟負担は被告の負担とする。 第2 事案の概要 1 本件は、富山市八尾町(旧富山県婦負郡八尾町、以下「旧八尾町」という。)の住民である原告が、平成17年4月1日に旧八尾町と合併し、その権利義務を承継した富山市の執行機関である被告に対し、旧八尾町が平成16年3月11日から平成17年3月10日までの間に競争入札に付することなく随意契約の方法により八尾町石油スタンド会(以下「石油スタンド会」とい。)から不当に高額な購入単価で灯油を購入したことは違法であるなどして、地方自 #
by ombudst03
| 2007-05-30 20:21
| 旧八尾町 住民訴訟判決
治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号本文に基づき、当時旧八尾町町長であった吉村栄二(以下「吉村」という。)、同総務課長であった吉山育男(以下「吉山」という。)及び同町会計課長であった浦山隆一(以下「浦山」という。)に灯油の購入につき旧八尾町の被った損害の賠償請求をすることを求めた事案である。
2 前提となる事実(当事者間に争いがないか、証拠又は弁論の全趣旨によって容易に認められる事実である。) (1) 当事者等 ア 原告は、富山市(旧八尾町)の住民である。 イ 被告は、富山市の執行機関である同市長である。 ウ 平成16年3月11日から平成17年3月10日までの間、吉村は旧八尾町の町長の地位に、吉山は同総務課長の地位に、浦山は同町会計課長の地位に、それぞれあった者である。 (2) 単価契約及び変更契約の締結 ア 旧八尾町は、平成15年1月20日、石油スタンド会との間で随意契約の方法により、次のとおりの内容で、白灯油の供給に関する契約を締結した(以下「本件単価契約1」という。甲1)。 (ア) 品質 日本工業規格による (イ) 単価(円) 1リットル当たり47円(税抜き) (ウ) 契約期間 同月25日から同年3月31日までとする。但し、単価の変更や当事者の異議のない場合は継続するものとする。 (エ) 納入場所 旧八尾町の指定する給油所で給油し、または旧八尾町の施設へ搬入する。 (オ) 事情の変更 契約締結後において、市場価格に著しい変動があった場合は、双方協議のうえ契約単価の変更をおこなうことが #
by ombudst03
| 2007-05-30 20:20
| 旧八尾町 住民訴訟判決
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